高校に進学してから、まだ志望校も大学受験も考えていないうちに文理選択を迫られます。早い高校だと6月頃には決めなくてはいけません。そこで、選択において気をつけるポイントを書いていきます。また、文理選択は大学の学部・学科選択とセットで考えてほしいので、その点も踏まえて。
文理選択・学部学科選択
1. 「数学が苦手だから文系」は危険な選択
文理選択を考える際に「数学が苦手だから文系にする」という理由だけで決めるのは避けましょう。近年では文系の大学や学部でも数学が必要になるケースが増えています。例えば、経済学部や商学部では統計学やデータ分析、心理学部でも統計処理が求められることが多いです。
また、社会学や国際関係学などでも、数理的な分析手法を取り入れる大学が増えています。さらに、入試科目として数学を課す文系学部も増加傾向にあり、数学を避けることができない場面が多くなっています。そのため、数学が苦手だからといって安易に文系を選ぶのではなく、将来どのような学問を学びたいのかをしっかり考えたうえで判断することが重要です。
もし数学が苦手だとしても、基礎的なレベルを克服する努力をしておくことで、進路の幅を広げることができます。
2. 大学の学部・学科をよく調べる
大学の学部・学科選びは、「法学部だから法律を学ぶ」「経済学部だからお金の流れを勉強する」といった曖昧なイメージだけで決めるのではなく、より具体的な情報を集めることが重要です。同じ学部でも大学によって学ぶ内容が異なるため、自分の興味や将来の目標に合った学科を見極める必要があります。
例えば、法学部でも「企業法務に強い大学」「国際法に特化したカリキュラムがある大学」など特色が違います。経済学部でも、マクロ経済学・ミクロ経済学の比重、データサイエンスとの関わりなど、大学ごとに学びのスタイルが異なります。興味のある分野があれば、大学のホームページを調べたり、先輩の体験談を聞いたりすることで、より具体的な進路を考えられるようになります。
3. オープンキャンパスや大学の研究を調べる
夏に開催されるオープンキャンパスに参加し、実際に大学の雰囲気を感じることは、進路決定において非常に重要です。教室や施設の環境を確認するだけでなく、在学生や教授の話を聞くことで、大学生活のイメージをより具体的に持つことができます。
また、学部の特徴を深く理解するために、教授の研究領域やゼミ、研究室の内容を調べるのも有効です。各大学のホームページにはシラバス(授業内容の詳細)が掲載されていることが多いため、どのような授業が行われているのかを確認すると、自分が本当に学びたい内容かどうかが見えてきます。
進路を決める際には、「なんとなく、この学部」という曖昧な決め方ではなく、実際の学びの内容をしっかり把握した上で選択することが大切です。
いかがでしたか?
文理選択で「数学苦手だから」は学部選択はもちろん、入試方式においても選択の幅を狭めてしまいます。文系でも数学ができるに越したことはありません。
また、学部選びについては先入観を捨てましょう。なんとなく良さそう、なんとなく面白くなさそう、ではなく、まずは情報収集から始めてみてくださいね。