合格の分かれ目は過去問演習を通した【言語化】にある

いよいよ12月になりまして、共通テストまであと1ヶ月ほどです。私大入試、国立前期も目と鼻の先となりました。現時点で、第一志望の合格が確実な生徒は今のところいません。当たり前です。

しかし、ここからの過ごし方、もっと具体的に言うなら「過去問演習の取り組み方」で、合否が大きく分かれます。ただ漫然と解いて、丸付けして、解説を読んでいるだけでは、ライバルに差をつけることはできません。では、何を意識するべきかをまとめます。

 

丁寧な分析

どの教科でも、解いた後が大事なのです。仮にそれが100点だろうと、50点だろうと、変わりません。大事なのはその後です。

では、分析とは何をやればよいのでしょうか。優秀な生徒たちの中にはとりわけ目を引く分析をしている人がいるので、それをみてみましょう。

これは明治大学政治経済学部(2020全学部)の過去問を解いた生徒の分析です。

英語で46/57(80%)をとっており、この時期のこのスコアはなかなか良いですね!しかも明治の全学部は制限時間が60分と短いながら、しっかり時間内に解き終えているというのもポイント。

分析にも焦点を当ててみましょう。

とても丁寧ですね。もちろん、ただ丁寧なだけではなく、この分析にはすごいところが凝縮されています。

 

まず、なぜその問題を間違えたのかを言語化している点です。解説を見て、それで納得して終わりにしてしまう人も多い中、一度自分の頭で考えた痕跡があります。ここが大きな分かれ目で「覚えればいいだけでしょ」としているか、「どうしたら自分の力で解けたか」と頭を捻っているか、この違いは雲泥の差です。

 

さらに

そのミスの原因が「知識」にあるのか、それとも他にあるのかを分析しています。その他については、「洞察力」「解き方」「文脈」などに細分化しています。

やはり原因を追求しないことには、本質的な改善には繋がりません。英語なんて極力、全部「覚えていれば解けた」と言えてしまうわけですから、その問題を解いた時の自分の状態を振り返って、どんな力が足りなかったのかをきちんと「言語化」しなくてはいけません。

 

 

丁寧な復習

丁寧な復習は、ミスの原因分析が正確でないとできないのです。

つまり、原因を分析しないままの勉強は、非効率で再現性のない勉強と言えます。

 

料理に例えるなら

同じレシピを何度も作っているのに、どこで失敗しているかを振り返らずいると、同じ失敗を繰り返したりその時によって料理の味が変わってしまいます。それは、火加減が原因なのか、調味料の分量が原因なのか、いれる順番が原因なのか、火入れのタイミングが原因なのか、それによって改善方法が変わります。

 

勉強の本質は「解答の再現性」です。まるでお家カレーのように、とりあえずてきとーの具材を煮て、ルーを入れれば美味しく仕上がる、という訳にはいきません。再現性のない勉強はギャンブルと同じです。人生の大勝負である大学入試でギャンブルをするわけにはいきません。

だからこそ、EIMEI予備校の個別過去問演習があります。

私も毎日のように各大学の過去問を解き、傾向分析を行い、生徒の答案と照らし合わせて個別指導をしています。そこで感じるのは、どんなに優秀な生徒であっても「自己分析は難しい」ということです。上記の原因分析をはじめから精度高く行えている人は極々僅かです(いつの時代も、誰でも、自分を客観視するのは非常に困難なものですね…)。

 

そこで、この個別過去問演習で行うことを言語化すると以下です。

①ミスの原因分析
生徒がなぜそれをミスったのか、背景知識や読解における心理状態などを考察しながら分析を行います。その問題を解くまでのプロセスや時間配分まで目を配って原因を見つけます。

 

②復習箇所の明示
自分では気がつけない弱点を発見し、どの教材をどのように活用して復習するべきかを明示します。この時期の英語の場合、熟語や語法、会話表現の「知識」に目が行きがちですが、その周辺の抜けも併せて確認することで「点の復習」ではなく、「面の復習」にすることを伝えています。

 

③再現性ある答案へ
なんども言いますが、勉強大事なのは「再現性」です。再現できなければ一過性の勉強になってしまい、得点に繋がりません。積み上がりません。間違えを繰り返します。そうならないために、何をどう勉強していくか、生徒自身の考えを聞いた上で、アドバイスを行います。その際、「自分だったらどうするか」という先生側の視点、思考のプロセスも併せて伝えます。

 

冬期講習ではこの個別過去問演習を中心に行います。

受験生は全員とりましょう。第一志望に合格したければ…!

冬期講習の説明動画です。

丁寧な戦略

最後に、本番までの戦略が重要になります。

本番から逆算して、どの年度の問題をいつ解くのか、計画的に勉強できていますか。もしその場その場でやっているのであれば、相当危険です…。

 

大学入試は戦略が命です。やみくもに量をこなして第一志望に合格できるのは、相当前からコツコツ勉強を始めた人だけです。99%以上の人が挑戦校に向けて勉強しているわけですから、挑戦には計画性、もとい【勝つための戦略】がなくてはいけません。

 

EIMEI予備校では、こういったシートを配布して実施年度を記録するように伝えています。しっかり活用しましょう!

 

まとめ

1. 過去問演習のポイントは「分析」にある
ただ解くだけで終わらせず、なぜ間違えたのかを言語化し、ミスの原因を特定することが重要。「知識不足」なのか、「解き方」や「洞察力」の問題なのかを振り返ることで、本質的な改善が可能になる。


2. ミスを分析しない勉強はギャンブル
復習は、ミスの原因がわからないと非効率で再現性のないものになる。勉強の本質は解答の再現性であり、これがなければ入試本番で安定した得点は難しい。


3. 戦略的に取り組むべき
本番から逆算して計画を立て、過去問を効率よく解く必要がある。やみくもに量をこなすだけではライバルに勝てない。勝つためには、原因分析・復習・戦略の3つが不可欠


4. 個別過去問演習の活用

  • ①ミスの原因分析:解答過程や心理状態を振り返り、弱点を明確にする。
  • ②復習箇所の明示:「点の復習」ではなく「面の復習」に取り組む。
  • ③再現性のある勉強:具体的な改善策を提示し、一過性ではない学びを実現する。

5. 最後に
合格には「戦略」「分析」「丁寧な復習」が必須。この時期に適切な取り組みを行えば、合否を大きく左右するライバルとの差をつけることができる。


要点を押さえたアプローチを意識し、効率的に入試対策を進めましょう!

 

この記事を書いた人

二神大輝